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いままで、年に何回も海外に出かけていくわたしを尻目に、 海外渡航の経験がない姉からは、「たまには、わたしもどこか へ連れてってくれ〜」と、いつも訴えられていた。 「インドになら、いつでも連れて行ってあげるけど」 と言うのだが、わたしからいろんなインドの凄さ・大変さを 聞かされているがゆえに、“初海外”に、なにが起こるかわから ないインドなんて遠慮しときますわ、という態度だった。 だが結果は、【初】がインドになってしまったので、息子に 生命保険証書の保管場所を伝えるなど、覚悟の渡印に 腹をくくったようだった。 ・わかっているだろうが、毎日毎食【カレー】であること ・南インドのカレーは、めっちゃめちゃ辛いこと ・北インドの都会と違い、トイレ事情は、度肝を抜かれるほど悪いこと ・必ずといっていいほど、お腹を下すこと ・ホテルでは、シャワーのお湯は出たり出なかったりすること ・車は超ハイテク運転なので、落ち着いてなんて乗ってられないこと ・生水は決して口にしないこと などを、行く前にとくとくと伝えた。また、わたしと一緒だと 超ハードスケジュールになるので、途中で休んだほうがいい ことも付け加えた。 しかして、実際はどうだったか・・・ わたしが2〜3年かけてようやく慣れた激辛カレー味を、ナンの苦もなく 【おいしい】と舌鼓し、寺院でいただく聖水(といえども生水)なども、 普通は飲んだフリして手や頭に振りかけるのだが、それをも平気で 飲んでしまうほど、インド流に溶け込んでいた。 きっといつか【腹下し】の洗礼を受けるだろうと、ハラハラしながら、 見ていると、ある朝、げっそりした青白い顔で起きてきた。 やっぱり・・・と思いきや、その原因はカレーでも生水でもなく、 なんと【チャイ(ミルクティ)】に入っているミルクのようだった。 日本ではコーヒーや紅茶の類いはめったに摂らない彼女だが、 ここインドでは、どこに行ってもおもてなしには【チャイ】が出てくる。 はじめは無理しながら飲んでいたようだったが、この洗礼からは一切 摂ろうとはしなくなった。お陰でその後の【洗礼】は治まったようである。 逆にわたしが、一日何杯もチャイを飲んでいると、「カラダに悪い、 砂糖摂りすぎ、また飲むのか〜」などと、小うるさく注意される ハメになってしまった。 実際問題、インド人のトップ病因は【糖尿病】である。これだけ大量に 甘いお茶を、暇さえあれば飲んでいるのだから、当然といえば当然である。 さすが最終日ごろには、【浄化】の熱でうなっていたが、上記のような トイレやホテル事情は心配するほどでもなく、まったく予想だにして いなかった【チャイ】だけが、衝撃だったというわけだ。 結果、休む暇なくわたしと同レベルの日程をこなしながらも、なには ともあれ、生命保険を使わず帰ってこれたことで、【インド恐るべし】 という観念は、崩壊したことであろう。 人はあらかじめ情報をインプット(予言みたいに)しておくことで、 ある程度の心構えができるから、それほどの衝撃はないのだな、 ということが、今回の彼女の同行で確認することができた。 未知なる世界、未知なる未来、未知なる人物を予測することの賢さを 身につけることで、これからせまり来る大変革の時代をも、優雅に乗り 切りたいものである。 |
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