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zoom RSS 原則と特例

<<   作成日時 : 2009/01/16 03:08   >>

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両親の不法入国が原因で、強制退去処分を受けている、
日本生まれのフィリピン少女のニュースが話題となっている。

少女が日本に残れるよう支援する署名も、1万4000人を超えたと聞く。
これは、法相大臣の【特例】に訴えかけるものである。

どんな『モノゴト』にも原理原則がある。これがなければ規律という
秩序が保てない。しかし、それだけでは推し測れないものも多々ある。

組織が大きいほど規律がしっかりしていて安定・信頼度は高い。
しかし反面、【特例】措置のハードルも高くなる。組織が小さければ、
【特例】のハードルは低いが、原理原則が甘くなり組織としての
安定性は低くなる。


NPO/NGOという組織は、規模の大小如何にかかわらず、
『モノゴト』の基準値を決めるのが、難しいと感じる。

株式会社のような営利組織であれば【市場基準】という“経済的ものさし”
で線引きできるが、非営利団体の場合は【社会基準】という
“人道的ものさし” が基準値を測る道具となるので、決断する個人
もしくはその組織の主観に頼らざるを得ない部分が少なくない。


なにを基準値にするかによって、行動がガラリと変わるもの。
ある行動経済学の文献に興味深い実験結果があった。

人は、「市場基準(経済性)」「社会基準(モラル)」という2つの
判断基準をもっていて、低報酬なら請けない仕事であっても、ボランティア
(無報酬)なら請けることが多いということである。

弁護士に低報酬で困窮者への相談依頼をしたところ、ほどんどが断ったが、
ボランティアという無料での相談依頼には、多くの弁護士が引き請けたという。

この実験結果が示すものは、提示された低報酬は仕事としての価値基準から
みたら、断じて応じられないが、【人として】という社会的価値で測るなら、
無償であればあるほど価値があるということだ

そして非営利組織には、さらにこの【人道的ものさし】にも
“原則と特例” の線引きがあるから、悩みどころである。


年末年始にかけて、インドから数通のメールが届いた。
ある支援している施設を通して知り合ったインド人からの個人的な相談である。

要は、「困窮する問題が発生したから助けて欲しい」という依頼である。
個人的心情としては手を差し延べたいのは山々だが、

・数通のメールだけでは事情が明確でないこと
・わたしではなく、現場の上層部にまず相談したらどうかということ
・個人的な支援活動をしているわけではなく、組織単位 で活動しているので、
 施設責任者を通して「組織」としての依頼なら考慮すること

を伝えた。これは、いわゆる【原則】である。

すると返事は、「施設責任者に断られたから、あなたに頼んだ」
と。さらに続けて、

I thought you are helping the poor and you will understand my problem.

「あなたは困っている人を助けている人なので、わたしの問題を
理解してくれるだろうと思った」


つまり、原則ではなく【特例】を認めてくれ、という、よくある勘違いである。
しっかりした理由と証明という裏づけがない状態で。
これでは、責任者がなぜ依頼を断ったのかも想像つく。

人道的ものさしの【特例】には、“情” や目先の手助けによる自立の妨げ、
依存、主従関係などが判断を誤らせる【罠】となる。

これは常に、NPO/NGOに突きつけられる

【その活動は、ほんとうに相手のためになっているのですか?】

という課題である。

しかし、答えはその場ではわからない。この言葉を
いつも胸に抱えて行動するしか、答えは見えてこない。

そのとき感じたまま、戸惑い回り道しながら進んでいくしかない。

まだ組織が小さいゆえの有利さとして、小回りが利く=特例大あり
が、ときとして判断を誤る落とし穴にもなりうる。

国という組織として法律が出来上がっているところに、今回の
フィリピン少女の問題のような、必要に迫った【特例】を突き
つけられると、答えに時間を要するものである。

親の不法入国後に日本で生まれ、就学した子どもが近年増加中とのこと。
国も、今後のために試行錯誤しながら対処しているのだろうと、
人ごととは思えず、痛感させられた。

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